ライプニッツは正義という倫理学と法学と政治学にまたがり、それらの核心をなすこの概念を「共通概念」として論じて、その哲学そのものを展開します。これは正義についての学問が論証的学問であることを意味しているからです。多くの論証的諸学に共通概念があるのですから、さて、正義についてはどのような説明がなされるのでしょうか。
難解な問題ですが、「完全性」というのがキー概念になっているのではないか、と私は予想しています。他の諸学の哲学そのものにどのような役割を果たしているのか、今、みなさんの教えを請いたいところです。